長時間作用型の睡眠薬
一般名(商品名)※1 | 半減期 ※2 | 副作用 | 特徴 |
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クアゼパム (ドラール) | 35~40時間 | 目覚めの悪さ、日中の眠気、筋弛緩作用など | ・作用時間が長いので、翌日への影響が出やすい ・高齢者の服用には注意が必要 ・食事の直後の服用は要注意 ・抗不安作用が強い |
睡眠薬を作用時間で分類した時に、最も作用時間が長いグループが、長時間作用型です。半減期が30時間以上のものを長時間作用型と分類する場合があります。
ここでは、長時間作用型の睡眠薬の特徴や服用に際しての注意点などを説明します。
長時間作用型の睡眠薬は、不安が強い不眠に効果を発揮します
長時間作用型の睡眠薬の半減期は30時間以上ありますが、そんなに作用時間が長い睡眠薬にどんな意味があるのかと思われるかもしれません。たしかに、中途覚醒や早朝覚醒の悩みが強い場合でも、短時間作用型や中間作用型の睡眠薬で事足りる場合がほとんどです。
ですが、長時間作用型の睡眠薬は抗不安作用も長時間持続するので、その効果を狙って処方される場合があるようです。
不安が強くて眠れないケースがある
不眠の原因が明らかに精神的なところにあり、夜に眠れないだけでなく、日中にも強い不安や恐怖、緊張がある場合があります。このようなケースでは、夜に眠れるようになるだけでなく、日中の不安を取り除くことも大切になります。
そのような場合、長時間作用型の睡眠薬を服用することで、日中の不安も抑えることができ、さらに夜もしっかりと眠れるようになることが期待できるのです。
長時間作用型の睡眠薬は副作用に気をつけて!
長時間作用型の睡眠薬は、睡眠薬を飲んだ翌日、さらにその次の日になっても睡眠薬の影響が残る場合があります。また、長時間作用型の睡眠薬の場合、ある程度の期間(1週間など)睡眠薬の服用を続けた場合、常に体内の睡眠薬の濃度が一定になります。
つまり、長時間作用型の睡眠薬を飲んでいる間は、常に日中に何らかの影響が出る可能性があるので、注意が必要です。
朝の目覚めの悪さ、昼間の眠気、昼間の集中力の欠如、車の運転のリスクの増大などの副作用には気をつけましょう。他にも、筋弛緩作用によるふらつきなども見られることがあります。
長時間作用型睡眠薬のメリットは、リバウンドがほとんど起こらないこと
長時間作用型の睡眠薬は、服用を中止しても、一時的に不眠が悪化するリバウンドがほとんど起こりません。そのため、睡眠薬を辞める場合にはあまり苦労しないというメリットがあります。
超短時間作用型や短時間作用型の睡眠薬はリバウンドが起こりやすいのですが、一旦長時間作用型の睡眠薬に置き換えることで、服用をやめる際のリバウンドを防ぐことができます。
長時間作用型の睡眠薬にはどんなものがあるの?
長時間作用型の睡眠薬の代表的なものは、クアゼパム(商品名:ドラール)です。長時間作用型の睡眠薬は日中の影響が出やすいので、服用には注意が必要なのですが、クアゼパムは中でも比較的安全なタイプの睡眠薬と言われています。
それでも、服用する際には医師の指示にしたがって、副作用に注意しながら付き合いましょう。