睡眠薬を飲むと、記憶がなくなるという話を聞いたことがあるかもしれません。確かに、睡眠薬にはある種の記憶障害が生じるリスクがあります。とはいえ、記憶障害と言ってもその種類は様々です。
ここでは、睡眠薬の副作用として生じる記憶障害がどのようなものなのか、説明します。睡眠薬の副作用に対する不安がある方、現在睡眠薬を服用している方は参考になるかと思います。
睡眠薬を服用後の記憶がなくなるケースがあります
睡眠薬の副作用による記憶障害は、『睡眠薬の服用後の記憶がなくなる場合がある』というものです。例えば、睡眠薬を服用後にメールをしたり、家族と会話をしたとしても、メールをした事実や家族と会話をしたという事実を覚えていないという事が起こることがあります。
一般的に言われるような、記憶喪失は起こりません
睡眠薬の副作用による記憶障害は、服用後の行動を忘れてしまう場合があるというもので、もともと覚えていたことを忘れるということはありません。例えば、自分の名前がわからなくなる、家族の顔が思い出せないとか、そういったことはないのです。
やろうとしている行動は、普段通りにやり遂げることができます
また、睡眠薬の服用によって、普段できていることができなくなるということはありません。例えば、冷蔵庫を開けたけれど何を取ろうとしたのかわからなくなる、といったことはないのです。後になって冷蔵庫から何かを取り出したという事実を忘れてしまう、というのが、睡眠薬の副作用による記憶障害の特徴です。
記憶障害が起こるのは、どんな睡眠薬を飲んだ時?
睡眠薬はベンゾジアゼピン系のものと非ベンゾジアゼピン系のものに分類ができ、一般的にベンゾジアゼピン系睡眠薬の方が副作用は起こりやすいとされています。
しかし、記憶障害に関しては、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬でも起こることが知られており、厚生労働省の医薬品医療機器情報提供ホームページ(http://www.info.pmda.go.jp/)によれば、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬のマイスリー(一般名:ゾルピデム)、アモバン(一般名:ゾピクロン)などによっても、記憶障害が起こる可能性があるとのことです。
・主な非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
マイスリー(一般名:ゾルピデム)、アモバン(一般名:ゾピクロン)
・主なベンゾジアゼピン系睡眠薬
ハルシオン(一般名:トリアゾラム)、レンドルミン(一般名:ブロチゾラム)、リスミー(一般名:リルマザホン)
記憶障害の副作用を抑えるために、これには気をつけよう!
①アルコールによって、記憶障害が起こりやすくなる
アルコールは睡眠薬の効果を強くする場合があり、記憶障害が生じるリスクを高くすると言われています。睡眠薬を服用している時には、お酒は控えたり、夕食の時だけにするなど工夫しましょう。
②服用量を守ること
睡眠薬が効かないからといって、定められた服用量を超えて服用すると、記憶障害が起こる可能性も高くなってしまいます。医師に指示された用量を守るようにしましょう。
③睡眠薬を飲んだら、すぐに寝ること
睡眠薬を飲んでからすぐに寝てしまえば、何もしていないので、記憶がなくなって怖くなるということもありません。睡眠薬を服用したらすぐに寝ることは、睡眠薬を服用する上での基本です。
以上、睡眠薬の副作用として記憶がなくなるケースについて説明しました。睡眠薬によって生じる記憶障害はあくまでも服用後に一時的に起こるもので、脳にダメージがあるということはありません。
睡眠薬の服用をやめれば記憶障害が起こることはないので、その点は安心してください。