睡眠薬は病院で処方してもらわないと手に入れることができません。一方、ドラッグストアではドリエルなどの睡眠改善薬が売られています。
この睡眠薬と睡眠改善薬、一体何が違うのでしょうか。
睡眠薬と睡眠改善薬の3つの大きな違い
睡眠薬と睡眠改善薬の違い① 効き目が大きく異なる
睡眠薬は、脳内の睡眠をコントロールしているGABA受容体に直接作用して、催眠効果を催します。睡眠に関係している部位に直接作用するので、眠くなる効果が高くなります。
一方でドラッグストアで買える睡眠改善薬は、抗ヒスタミン作用により眠くなります。この抗ヒスタミン作用というのは、風邪薬や花粉症の薬、鼻炎薬などで起こる作用でもあります。つまり、ドリエルなどの睡眠改善薬は、風邪薬や鼻炎薬を飲んで眠くなる作用を応用しているのです。
睡眠改善薬の場合、ちょっとした不眠に関しては効果を発揮する場合もありますが、服用してもあまり眠れるようにならないこともあります。また、睡眠改善薬は夜中や早朝に目を覚ます不眠症に対しては、効果が期待できません。そうした不眠の場合は、睡眠薬の服用が適しています。
睡眠薬と睡眠改善薬の違い② 副作用のリスクが異なる
睡眠薬の場合、睡眠改善薬と比較して、副作用が起こるリスクが大きくなります。睡眠薬で見られる副作用としては、筋肉が緩むことによるふらつきや転倒、服用後の記憶がなくなる健忘、翌日にだるさなどが残る持ち越し効果などがあります。
一方、睡眠改善薬の場合、それほど大きな副作用は起こりづらくなっています。風邪薬や鼻炎薬を飲んだ時に、喉が渇いたり、頭がぼーっとしたりすることがありますが、睡眠改善薬においても、そうした副作用が起こることがあります。
睡眠薬と睡眠改善薬の違い③ やめやすさが異なる
睡眠薬は急に服用をやめると、睡眠薬を服用する前よりも不眠症が悪化したり、不安感や動悸、吐き気などの心身の不調が現れる場合があります。ですので、服用を辞める際には医師の指導のもと、計画的に断薬する必要があります。
一方で、睡眠改善薬の場合、急に飲むのをやめたからといって、それほど大きな症状が出ることはあまりありません。眠れない日にだけ飲むといった使い方も可能なのが、睡眠改善薬です。
睡眠薬と睡眠改善薬、どう使い分ければ良い?
このような症状の場合、睡眠改善薬が効果的かもしれません
- 夜中や早朝に目を覚まして眠れなくなるといったことはないけれど、寝付きが悪い
- 眠れなくなったのがここ1週間であったり、たまに眠れなくなることがある
- 風邪薬や花粉の薬、鼻炎薬で眠くなることが多い
これらに当てはまる場合、まずは睡眠改善薬を試してみても良いと思います。もし睡眠改善薬が効かなければ、病院で診てもらうことも必要かもしれません。
このような症状の場合、睡眠薬を検討してもよいかもしれません
- なかなか寝付けない、夜中や早朝に目が醒めて眠れない、朝起きた時に疲れがとれない、といった睡眠の悩みがある
- うまく眠れないせいで、日常生活に影響が出ている
- 睡眠に関する悩みが1ヶ月以上続いている
これらに当てはまる場合、睡眠改善薬が効かないことが考えられるので、睡眠薬の服用を検討するのも良いと思います。また、こうした症状であっても、まずは睡眠改善薬を試してみて、効かない場合に睡眠薬を服用するという考えも良いと思います。