睡眠中に起こる行動として、比較的多くの人が経験しているのが、歯ぎしりです。
私は歯ぎしりなんてしていない、と思っている人が多いですが、実際は大人の8%程度が睡眠中に歯ぎしりをしているというデータもあるほど、歯ぎしりは多くの人がしている行動なんですよ。
ここでは、睡眠中の歯ぎしりがどんな影響を及ぼすのか、歯ぎしりを治すにはどうしたら良いのかということを紹介します。
睡眠中の歯ぎしりで、体にこんな悪影響が・・・
歯ぎしりは体に様々な悪影響を及ぼしている可能性があります。それでは、歯ぎしりによってどんな影響があるのでしょうか。
歯や口内が損傷してしまう
上下の歯をかみしめて、横にキリキリとスライドさせるような歯ぎしりをしていると、歯の表面のエナメル質が磨り減り、歯や歯茎がダメージを受けるようになります。その結果、噛み合わせが悪くなったり、歯が折れやすくなったり、知覚過敏になったりすることがあります。
また、長期間歯ぎしりを続けていることで、顎の痛みや、頭痛が起こりやすくなります。
歯ぎしりで肩こりや膝痛になることも
歯ぎしりによって歯が損傷したり、あごが痛くなったりというのは想像できると思いますが、肩こりや膝痛まで生じることがあるというのは、意外ですよね。
これは、睡眠中に上下の歯を強く噛み締めている人に起こりやすい症状です。試しに上下の歯を強く噛み締めてもらうと分かると思いますが、歯を強く噛んでいると、体全体に力が入ってしまいます。
そうすると、肩の筋肉が緊張して肩こりになりやすくなったり、膝痛になったりします。もちろん、体全身に力が入っているので、歯ぎしりの影響は思いがけないところに生じている可能性もありますよ。
歯ぎしりをしていると熟睡できない?
また、強く歯を噛み締めていると、体がリラックス出来ないので、なかなか熟睡することが難しくなります。本来、睡眠中は体がリラックスした状態で、全身の疲れを取ることが大切なのですが、歯ぎしりによって全身に力が入り、体の疲れがとれにくくなってしまうのですね。
このように、歯ぎしりは思わぬところにまで悪い影響を与えています。
もし、歯や顎が痛い、肩こりや頭痛がひどい、寝ても体の疲れがとれない、という悩みがある場合には、歯ぎしりが原因になっている可能性があるので、一度疑ってみるといいですよ。
・・・ですが、実は歯ぎしりは悪いことばかりではないのです。
次に、歯ぎしりの良い面を紹介します。
歯ぎしりは逆流性食道炎を防いでいる!?
最近ためしてがってんでも取り上げられていたのですが、歯ぎしりは逆流性食道炎を防いでいるという説もあります。
逆流性食道炎とは、胃酸が食道の方に逆流してくる病気で、日本には患者さんが1200万人いると言われているほど、国民的な病気になっています。この逆流性食道炎は、横になっている時に起こりやすくなるので、睡眠中は特に問題になりやすいものです。
(逆流性食道炎について、詳しくはこちらのページを参考にして下さい。)
なぜ歯ぎしりと逆流性食道炎が関係あるの?
では、なぜ歯ぎしりと逆流性食道炎が関係あるのでしょうか。それは、歯ぎしりをすると唾液が出やすくなり、唾液が胃酸を中和して、食道に炎症を起こすのを防いでくれているのです。
ですので、軽い歯ぎしりであれば、むしろ歓迎されるべきものなのですね。
次のページでは、歯ぎしりが起こる原因と、歯ぎしりを改善する方法を紹介します。
続きます↓
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