不眠症や睡眠障害の悩みがあっても、病院でどんな治療をするのかがわからないと、不安がありますよね。
そこでここでは、一般的に不眠症・睡眠外来ではどのような検査・治療をするのかを説明します。
病院での治療に対する不安を和らげてもらえると幸いです。
1.事前準備
病院に行く前に、睡眠日誌や問診票を予め記入しておくように求められることがあります。
睡眠日誌とは、1週間の就寝時間、起床時間、夜中に目が醒めた時間、昼寝をした時間などを記録した日誌です。これがあれば、病院での問診がとてもスムーズに進みます。
睡眠日誌や問診票は、予めホームページからダウンロードする場合もあります。
ただし、診察時に睡眠日誌や問診票を記入する病院も多いです。
2.問診
医師から様々な質問をされます。
- 就寝時間や起床時間
- 眠りにつくまでの時間
- 中途覚醒の回数
- 睡眠中の異常行動
- いびきの有無
- 服用している薬
- 病気の有無
- 生活習慣
などについて、具体的に答える必要があります。
不眠症の場合、医師からの質問に答えていくことで、原因がわかる場合があります。その場合は、続けて治療に移ります。
詳しい検査が必要だと判断されれば、検査に移ります。
3.治療
問診だけで、不眠や睡眠の悩みの原因が明らかになった場合には、続けて治療を行います。
治療方法としては、不眠症の原因が何かによって異なりますが、生活習慣の指導、心理カウンセリング、リラクゼーションの指導、睡眠薬の処方、などがあります。
なるべく睡眠薬は使わずに治療するという方針の病院では、漢方などを処方されることもあります。
4.検査
睡眠障害が考えられる場合には、検査が行われます。
腕時計式の装置や、睡眠時無呼吸症候群の有無を検査できるキットを借りて、自宅で睡眠の様子を測定するように求められる場合があります。
また、後日予約をとり、終夜睡眠ポリグラフ検査を用いて、睡眠の様子を観察する場合もあります。
(予め予約をとっておけば、当日に検査を行う場合もあります。)
終夜睡眠ポリグラフとは?
終夜睡眠ポリグラフとは、頭や顔に電極を取り付けたまま眠ることで、睡眠の様子を観察する方法です。かなり詳細に睡眠の様子がわかるので、睡眠時無呼吸症候群やレム睡眠行動障害など、睡眠時の問題がほぼ正確にわかります。
ただし終夜睡眠ポリグラフは一晩中検査をする必要があるので、一晩入院をする必要があります。
その他の検査について
ナルコレプシーを診断するための 睡眠潜時反復テストを受ける場合があります。これは2時間毎に昼寝をするように指示されて、眠るまでの時間や、睡眠時の脳波を測定するものです。
精密に検査する場合は、夜から朝にかけて 終夜睡眠ポリグラフ検査を行い、そのまま日中に睡眠潜時反復テストを受ける場合があります。
また、血液検査を行う場合もあります。
5.検査結果をもとに治療方針を決定
終夜睡眠ポリグラフなどの検査は分析に時間がかかるので、結果が出るまで1~2週間待たないといけません。後日結果が出たら、今後の治療方針を決定します。
検査の結果、深刻な問題が見られなかった場合
幸い、深刻な睡眠障害などが見られなかった場合は、生活習慣の指導や、就寝時のアドバイスなどを受けることになります。
睡眠時無呼吸症候群が明らかになった場合
睡眠時無呼吸症候群であると診断された場合、生活面での指導のほか、CPAP療法を行うことがあります。CPAP療法とは、就寝時にマスクをつけて、機械から空気を送り込むことで、呼吸を楽にする療法です。
CPAP療法は睡眠時無呼吸症候群の治療方法としてはメジャーなもので、保健が適用されます。
その他の睡眠障害が明らかになった場合
ナルコレプシー、レム睡眠行動障害、夢遊症、むずむず脚症候群、概日リズム睡眠障害などの睡眠障害が明らかになった場合は、生活面でのアドバイスや薬物療法を行います。
以上、不眠や睡眠の問題で病院を訪れた場合、どのような検査・治療を行うのか説明しました。
ただしあくまでこれは一般的な例で、実際の検査や治療方法は病院によって様々ですので、注意してくださいね。
[…] 不眠症・睡眠外来ではどんな治療をするの? […]