睡眠には日中の疲労を回復する働きがありますが、実は睡眠中の疲労回復は、就寝後の3時間に集中的に行われます。
ちゃんと7,8時間眠っても、体の疲れが残っていると、熟睡できている気がしませんよね。
睡眠によってしっかりと疲労を回復するには、就寝後の3時間にいかに質の高い睡眠をとるか、が重要です。そこでここでは、就寝後3時間の睡眠が大切なのはなぜなのか、就寝後の3時間に質の高い睡眠をとるにはどうすればいいのか、説明します。
就寝後の3時間には、深い眠りが訪れる
人の睡眠には、浅い眠りのレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠があります。ノンレム睡眠の中には、浅い方からノンレム睡眠の第一段階、第二段階、第三段階、第四段階、と区別されています。
ノンレム睡眠の4つの睡眠の段階の内、特に疲労回復に重要なのが、深い眠りである第三段階と第四段階です。このノンレム睡眠の第三段階と第四段階を、合わせて徐波睡眠と呼んでいます。
そして、この徐波睡眠のときに、成長ホルモンが大量に分泌されることがわかっています。
睡眠深度のグラフから、睡眠後の3時間の重要性を理解しましょう
さて、この徐波睡眠ですが、眠りについてからの3時間に集中して訪れることがわかっています。
こちらは、睡眠中の眠りの深度のグラフです。
グラフからわかるように、睡眠中は深いノンレム睡眠と浅いノンレム睡眠が交互に訪れることがわかっています。この内、徐波睡眠が訪れるのは、就寝後3時間くらいまでであることがわかります。
(睡眠の第三段階は3時間後も現れていますが、最も深い睡眠の第四段階は最初の3時間以降は現れていません。)
睡眠の後半では、深い睡眠である徐波睡眠は訪れなくなります。
そのため、睡眠後3時間のうちに2回訪れる徐波睡眠が、疲労回復には大切な働きをするわけです。
成長ホルモンは疲労を回復する働きがある
睡眠後3時間のうちに深い徐波睡眠が2回訪れ、そのときに成長ホルモンが大量に分泌されるため、疲労が回復しやすいということ説明しました。
ところで、成長ホルモンというと、子供の成長に必要なホルモンというイメージがありませんか?
実は、成長ホルモンは大人にとっても非常に重要です。
成長ホルモンは傷ついた細胞を修復する働きがあります。そのため、睡眠中に成長ホルモンが分泌されることで、日中の体の疲労が回復できるわけですね。
ここまで、どうして就寝後の3時間の睡眠で疲労が回復するのかを説明しました。体の疲れをとるためには、最初の3時間の間に、質の高い睡眠をとることが大切なわけです。
でも、質の高い睡眠ってどうしたらとれるのでしょうか。
次のページでは、就寝後の3時間に質の高い睡眠をとるための工夫を紹介します。
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